ロジクールのマウスM510のチルトボタンに、ウィンドウスナップを割り当てる
ロジクールのマウスは、SetPointというアプリケーションにより、各ボタンの機能をカスタマイズすることができます*1
しかし、中にはSerPointでも割り当てられない機能があって、例えばウィンドウを画面の右/左半分に寄せる、ウィンドウスナップが該当します。
本記事では、SetPoint拡張メモ:拡張手順の概略を参考にさせていただきながら、ウィンドウスナップをマウスのボタンに割り当てられるようにSetPointをカスタマイズする手順を紹介します。
マウスからウィンドウスナップをできるようにしておくと、アプリケーションを起動してウィンドウを配置を調整する一連の操作がシームレスにできるので、とても便利ですよ。
手順
筆者は、M510というチルト機能のあるマウスを使っています。M510の左右チルトに、左右のウィンドウスナップを割り当ててみます。
1. M510のデバイスファイルを特定する
SetPoint拡張メモ:拡張手順の概略の、1. 及び2. の手順にしたがってデバイスファイルのファイルパスを特定します。
M510の場合、デバイスファイルの絶対パスは"C:\ProgramData\Logishrd\SetPointP\Devices\PointingDevice\10000A9\10000A9.xml"となります。
2. デバイスファイルを編集する
デバイスファイルでは、マウスの各ボタンで割り当て可能な機能のセット(HandlerSetとHandlerSetGroup)が指定されています。
この記述により、SetPointの画面でマウスのボタンを選んだときに表示される選択肢が決まります。
ここをうまく編集して、SetPointで左右チルトを選んだときに、ウィンドウスナップが指定できるようにすればよいわけです。
デバイスファイルを開いたら、Button Number="7"、Button Number="8"となっているタグを見つけてください。それぞれ左チルトボタン、右チルトボタンに対応しています。このタグの配下の、TriggerState Nameタグの属性を以下のように変更します。
ボタン | 属性 | 変更前 | 変更後 |
---|---|---|---|
左チルト | HandlerSet | HorzScrollLeftSet | SnapLeft |
↑ | HandlerSetGroup | ScrollLeftFloresGroup | SmrkndSnapLeft |
右チルト | HandlerSet | HorzScrollRightSet | SnapRight |
↑ | HandlerSetGroup | ScrollRightFloresGroup | SmrkndSnapRight |
変更後のデバイスファイル(抜粋)は、以下の様な感じです。
<!-- <Button Number="7" Name="6"> <Trigger Class="ButtonPress"> <PARAM Button="7" Type="Tilt" /> <TriggerState Name="ButtonDownUp" HandlerSet="HorzScrollLeftSet" HandlerSetGroup="ScrollLeftFloresGroup"/> </Trigger> </Button> --> <Button Number="7" Name="6"> <Trigger Class="ButtonPress"> <PARAM Button="7" Type="Tilt" /> <TriggerState Name="ButtonDownUp" HandlerSet="SnapLeft" HandlerSetGroup="SmrkndSnapLeft"/> </Trigger> </Button> <!-- <Button Number="8" Name="7"> <Trigger Class="ButtonPress"> <PARAM Button="8" Type="Tilt" /> <TriggerState Name="ButtonDownUp" HandlerSet="HorzScrollRightSet" HandlerSetGroup="ScrollRightFloresGroup"/> </Trigger> </Button> --> <Button Number="8" Name="7"> <Trigger Class="ButtonPress"> <PARAM Button="8" Type="Tilt" /> <TriggerState Name="ButtonDownUp" HandlerSet="SnapRight" HandlerSetGroup="SmrkndSnapRight"/> </Trigger> </Button>
3. SetPointで、ウィンドウスナップを割り当てる
デバイスファイルの編集ができたら、SetPointを再起動してください。
タスクトレイに常駐しているSetPointのアイコンをクリックすると、「終了」を選択することができます。その後、スタートメニューから「マウスおよびキーボードの設定」を探して起動します。
正しくカスタマイズされていると、以下の様な画面となります。左右チルトに、ウィンドウスナップが割り当てられるようになっています。
上の画像を見るとお気づきになるかと思いますが、本記事の方法では、ウィンドウスナップ以外の機能を選択することはできなくなります。他の機能を含めて選択できるようにするには、SetPoint拡張メモ:拡張手順の概略と、他一連の記事を参照し、SetPointの各種設定ファイルを使いこなしてください!
最後に、改めて、元記事を作成してくださった@did2memo様に感謝いたします。
ウィンドウスナップをM510のチルトボタンに割り当てる手順は、以上です。
*1:最近リリースされたいくつかのマウスは、Logicool Optionsという新しいアプリケーションに変わっているため、本記事で紹介する手順は利用できません